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脳梗塞の概要

「脳梗塞」は脳の血管が狭くなったり、血栓が詰まったりすることで、脳の細胞が損傷してしまう病気です。

 「脳梗塞」とは、脳の血管が詰まってしまい、脳に血液によって運ばれる「酸素」や「ブドウ糖」が行き渡らなくなることで、脳の細胞が死んでしまう恐ろしい病気のことです。脳の血管が梗塞(ふさがって通じないこと)するので「脳梗塞」と呼ばれます。

脳梗塞には大きく三つのタイプがあります。

 脳梗塞は、脳内の非常に細い動脈が詰まってしまう「ラクナ梗塞」、大きな動脈が詰まってしまう「アテローム血栓性梗塞」、心臓の中などでできた血栓が剥がれて脳の動脈に流れ込んで詰まる「心原性脳塞栓症」に分けられます。

ラクナ梗塞

 脳の非常に細い血管が動脈硬化により、徐々に狭くなっていき、最終的に詰まってしまうことで起こります。ラクナは「小さなくぼみ」という意味です。

アテローム血栓性梗塞

 血管の中でコレステロールがドロドロした状態になり(アテローム=お粥のような状態)、狭くなった血管内に血栓ができたり、血栓が剥離して流れ出し、その先で詰まったりするために起こるタイプの脳梗塞です。動脈硬化が主な原因で、高血圧や高脂血症、糖尿病などがその引き金となります。

心原性脳塞栓症

 脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞で「大梗塞」とも呼ばれます。心臓や頸動脈などの太い血管でできた血栓が、血流によって脳まで運ばれて、脳の太い血管を詰まらせるものです。血栓ができやすい心臓の病気には、不整脈の一つである心房細動や、リウマチ性心臓弁膜症、心筋梗塞、心筋症などがあります。

 脳の血管が詰まったり破れたりして、脳に血液が届かなくなり、脳細胞が壊死してしまう「脳血管疾患」の総称を「脳卒中」と言い、大きく「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の三つに分かれます。

 「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書:2018年」によると、「脳卒中」のうち「脳梗塞」は75.6%、「脳出血」は19.8%、「くも膜下出血」は4.6%となっています。

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