MY介護の広場トップ >  介護従事者・事業者のみなさま >  介護のリスクマネジメント >  認知症ケアのリスクマネジメント >  第4回 BPSD(周辺症状)の緩和を図るために

認知症ケアのリスクマネジメント

第4回 BPSD(周辺症状)の緩和を図るために

◇ポイント2 BPSDの悪化を防ぐために必要なこと

公開日:2017年3月18日

 BPSD(周辺症状)緩和のためには、周囲の接し方がポイントといわれます。確かに、コミュニケーションのとり方などで、本人の不安や混乱、ストレス蓄積をある程度抑えることは可能です。しかし、それだけではBPSDの改善を図りきれないケースもあります。
 たとえば、内部疾患の悪化(痛みや不快感)は人の心理状態に影響を与えます。認知症によって見当識が衰えている場合、「自分の身体の状態」を認識することが難しく、漠然とした不快感がさらにストレスを高めていきます。また、膀胱炎などで常に尿意を感じる状態だと、四六時中落ち着きがなくなったりします。その結果、立位保持の難しい人が急に立ち上がって転倒するケースも起こりえます。
 前回、事前のアセスメントに際して、内部疾患にかかる情報の重要性について述べました。この情報をもとに、認知症以外のさまざまな疾患について、きちんとした診断・治療を行なうことが、BPSDの改善に結びつくことになります。
 問題は、本人がどうしても受診をしたがらない場合、潜在する疾患を見逃してしまうことです。認知症対応について理解があり、同時に訪問診療などに力を入れている医師との連携がカギとなります。
 また、認知症の臨床現場では、過剰な服薬がBPSDを悪化させるという報告もあります。本当に必要な薬は、その服用を安易に止めてしまうことは危険です。しかし、本来は必要でない薬の過剰な服用は、認知症ケアではデメリットにつながることがあります。先の認知症対応に理解のある医師などに処方薬の一覧などを見てもらいつつ、適切な服薬管理を行なうことが必要です。

 第4回 BPSD(周辺症状)の緩和を図るために

MY介護の広場トップ >  介護従事者・事業者のみなさま >  介護のリスクマネジメント >  認知症ケアのリスクマネジメント >  第4回 BPSD(周辺症状)の緩和を図るために