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人材不足が慢性化する時代のリスクマネジメント

第1回 介護人材不足の現状と高まるリスク

<ポイント2>人材不足でどのようなリスクが高まるか?

 このような人材不足の深刻化により、介護現場では適正なサービス運営を妨げるさまざまなリスクが高まりつつあります。
 最もストレートなケースでは、制度上のリスクがあげられます。必要な人材確保が難しくなれば、当然ながら介護保険法令上の人員基準を満たせない可能性も高まり、改善勧告の対象となります。それでも基準を満たせない場合、事業の一部・全部の停止や最悪の場合、指定取り消し処分となりかねません。
 仮に人員基準を満たしていたとしても、人材不足によって「見守り」の目が少なくなったり、特定の職員に業務が集中して、その職員の「見守り」にかかる注意力が散漫になる可能性も高まります。こうした現場の「見守り」力の低下は、特に利用者の状態が重くなると、さまざまな事故リスクを高めます。

 例えば、認知症の利用者が不穏な状態にある場合、ちょっと目を離した間に(自力歩行が難しいのに)立ち上がって転倒したり、異食行為などにおよぶことがあります。また、嚥下機能が衰えている利用者であれば、誤嚥などのリスクも高まります。いずれも、現場の「見守り力」が利用者の状態悪化に追いついていないことによって生じる可能性が高まります。

 もちろん、認知症の利用者のケースなどではBPSD(行動・心理症状)の緩和などを集中的に図ることで、先のリスクの軽減を図ることが可能です。しかし、人材が不足することで、集中的な取組み(ケア現場の環境改善など)を行なうだけの余裕がなければ、やはりリスクの軽減を図ることは難しくなります。現場の人材不足は、「リスクの軽減への対応力」+「その時々の見守り力」をダブルで阻害するという点で、リスクの増大を加速させる可能性があるということです。

現場の人材不足はどのようなリスクを生むか?

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