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人材不足が慢性化する時代のリスクマネジメント

第3回 人材の「すそ野」をいかに広げるか?

<ポイント3>外国人材受入れ有無に関係なく鍛えたい技能

公開日:2019年3月16日

 利用者の状況観察やチーム内での情報共有という点は、今後外国人材の受入れが拡大するなかで、さらに大きな課題となる可能性があります。2019年4月に改正入管法が施行されますが、それまでに新設された特定技能1号・2号の要件が定められます。

 介護現場として注視したいのは、先に述べたチーム内の情報共有にかかる日本語能力の要件がどのレベルになるのかという点でしょう。さらに、異文化・異習慣のなか、外国人材のストレス等が蓄積されやすい点を考えれば、現場での観察や気づきなどに必要な集中力が維持できるのかという課題もあります。

 これらの課題を見すえたとき、現場として整えておきたいことがあります。これは、将来的に外国人材を受け入れるか否かにかかわらず、日本人人材のコミュニケーションや働きやすさを改善する点としても大切なポイントです。

 一つめは、他者に情報を伝える際の(話し言葉、書き言葉にかかわらず)「正確性」という観点からの基本を整えることです。例えば、「主観的情報と客観的情報が混在する伝え方になっていないか」「主語と述語のつながりが正しくできているか」「5W1Hという情報の構成要素が整った状態になっているか」などです。

 二つめは、価値観の相違などがチーム内の感情的な溝につながらないようにするため、コミュニケーション上の対処力を鍛えることです。EQ(情動もしくは心の知能指数)という言葉がよく使われますが、これを高めるための研修を行なうこと。これが現場の適正な情報伝達には欠かせないポイントとなります。

 この2点を進めることが、外国人人材のみならず、「多様な人材」をチームの一員として機能させる風土を築くことにつながります。

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