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人材不足が慢性化する時代のリスクマネジメント

第4回 限られた人材を早期に戦力化する

<ポイント1>早期離職者が目立つ中での戦略の立て方

公開日:2019年5月18日

 厚生労働省(厚労省)の社会保障審議会(※1)に提示されたデータ(介護労働安定センター等提供)によれば、2017年度の介護職員の離職率(1年間の離職者数÷労働者数)は16.2%。全産業の14.9%という数字と比較してやや高いものの、目立って大きな開きがあるわけではありません。
 ただし、介護職の離職動向で注意したいのは、離職者の65.2%が勤務年数3年未満という点です(※2)。正規の職員でも6割を超え、1年未満の者(初期離職)は3割を超えています。相応の採用・育成コストをかけても、キャリア的に「現場リーダー的職務を担う」前に3分の2近くが離職してしまう状況は、法人にとって頭の痛いことです。有効求人倍率が高止まりする「売り手市場」では、「もっと処遇のいい職場へ」という動機も高まりやすく、早期離職の傾向は簡単に収まりそうもありません。

 では、組織としてどのような人事戦略が必要でしょうか。全業界に共通して離職動機が最も高まりやすいのは、現場になじむ前です。「職場における自分の立ち位置」が見えにくいなかで、そこに「居る」こと自体がストレスになり、わずかなきっかけが離職を誘発します。まず、この入口段階の手当てに力を注ぐことが求められます。

 そのうえで、この入口段階での離職を乗り越えた人材を、いかに早期に戦力化するかが課題となります。少しでも戦力化の期間を縮めることができれば、後進に伝える財産(現場に必要なナレッジ(知識・経験))がそれだけ増えることになります。
 仮に3年未満の離職の流れがなかなか止まらない状態でも、現場に必要なナレッジが(本人の離職前に)先輩から後輩へ伝達されるケースが増えれば、中長期的に見て組織全体の人材育成コストを下げることが可能になります。

※1第167回社会保障審議会介護給付費分科会

※2出典:平成29年度 介護労働実態調査(公益財団法人 介護労働安定センター)

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