人材不足が慢性化する時代のリスクマネジメント
第6回 外部連携の強化による人材不足のカバー
<ポイント2>外部専門職の協力をスムーズにあおぐために
委託契約などにより外部の専門職との「協働」機会が増えてくれば、組織としては、いかに「(委託契約しているという点で)費用対効果」を上げられるかが課題となります。つまり、外部の専門職側と彼らを受け入れる側がともに気持ちよく「協働」できるための連携マナーが問われています。
これを「個人の気遣い」に委ねるだけでは、組織全体での安定的な「協働」を確保することはできません。やはり、先に述べた連携マナーそのものを組織のなかで標準化し、「協働」の質の底上げを図ることが必要です。
前者の「情報提供」についていえば、(協働するタイミングに至るまでの)利用者の個別情報をいかに収集し、各専門職の分析・判断に資するようにまとめておけるか。後者の「振り返り」については、現場のケア体制や利用者の個別サービス計画の見直しにどうやってつなげていけばいいか。また、専門職からの助言・指導に基づいて、自分たちのスキルアップのための内部研修へとどのように反映させていくかなどを考えなければなりません。
こうした課題については、専門職との「協働」前にマニュアル化を図ることが必要です。言い換えれば、外部の専門職と現場でやり取りする前から、よりよい「協働」のための実務は始まっていることになります。