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人材不足が慢性化する時代のリスクマネジメント

第5回 限られた人材の生産性を向上させる

<ポイント2>ICT活用や介護ロボット導入による業務効率のUP

公開日:2019年7月20日

 さて、役割分担やシフトの見直しが図られ、職員にかかる平均的な負荷は軽減されたとします。それでも、時間帯や業務内容によって差は生じるでしょう。例えば、入浴介助や人員配置が薄くなる深夜帯などは、相対的な負荷はどうしてもかかりやすくなります。
 この「負荷のかかりやすい」部分の改善には、役割分担やシフトの見直しに加え、新たなイノベーション(技術革新)導入も必要となります。つまり、そこにICTや介護ロボットなどを集中的に投入するわけです。ただし、現場の実情にあわせて、最も効果が現れるような仕組みづくりが欠かせません。

 ICTでいえばインカム(無線機)を導入するとします。その際、本当に必要なのはどのようなときか、使用に際してどのように応答・対応するかというルールが必要です。これがないと「各職員任せ」となり、安定的な効果が期待できなくなります。また、メリハリなくインカムに頼りすぎることになれば、目前の利用者の訴えを聞き逃すなどのリスクも浮上しかねません。

 介護ロボットについても同様です。例えば、夜間の利用者の離床状況を知らせるセンサーマットの導入を図るとします。これについても、夜間の離床にかかる転倒リスク等が高い利用者は誰か、その時間帯はいつか、センサー反応を受けての対応はどうすればいいかなど、詳細な分析をもとに設定・マニュアル化を図ることが必要です。これが整っていないと、人員配置の薄い深夜帯などでセンサー反応のたびに職員の動きが慌ただしくなるなど、かえって業務負担が増える恐れも生じます。
 いずれにしても、「どの業務に新たなイノベーションを導入するか」が決まった時点で、その業務の実態・構造にかかる課題をさらに掘り下げていくことが必要になります。

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