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記事:専門医監修
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掲載日:2022年11月20日
人は加齢とともに疲れやすくなったり、意欲の低下が見られたりするようになります。日本では平均寿命と健康寿命の差が約10年となっており、いかに健康寿命を延ばすかというのがテーマになっています。充実した生活を長く続けるためにはどんなことに気をつければよいのでしょうか。食事のポイントを解説します。
2014年に日本老年医学会によって、「健康と要介護の中間段階がフレイル」と定義されました。フレイルは英語で虚弱なという意味です。シニア世代は加齢とともに心身の活力が低下し、急激に要介護状態になることがあります。
要介護状態にならないようにするためにはフレイルを予防することが重要とされています。フレイルを早期発見することで適切なケアを受けることができ、健康状態を取り戻すことも可能であると考えられています。
「食べ過ぎはいけない」「肉は体によくない」という情報を耳にすることも多いですが、これは大体の場合40~60代くらいの中高年に向けてのアドバイスです。
この世代はメタボや生活習慣病になるリスクが高いため、カロリーコントロールを中心に取り組む必要があります。
この食事法をシニアの人が取り入れてしまうと栄養状態を悪化させてしまう可能性があります。
それ以前にシニア世代は「以前より食べられなくなった」「食事を用意するのが面倒くさい」と、低栄養のリスクが高い傾向にあります。
低栄養状態では病気のリスクが高くなったり体力が低下したりするだけではなく、認知症の発症にも影響します。
健康で病気にかかりにくい体を維持するためには、しっかりと食べることと、いろいろな食品を取り入れ、バランスの良い食事をすることが重要です。
それでは実際にどのような内容の食事にすればよいのか見ていきましょう。
体を動かしたり、脳をはたらかせたりするためにはご飯・パン・麺類などの主食が必ず必要です。この食品群には炭水化物や糖質といわれる栄養素が含まれています。不足すると疲れやすくなる、眠たくなるなどの症状が出てきます。茶碗に軽く1杯から1.5杯の量を活動量に合わせて調整しましょう。
肉や魚、卵、大豆製品に多く含まれるタンパク質は体力維持に欠かせない筋肉をつくるために必要です。またタンパク質が不足すると感染症にかかりやすくなる、記憶力・意欲の低下などの症状が見られてきます。
タンパク質は体の中に貯めておくことができないので、毎食しっかりおかずを準備するように心がけましょう。
野菜・きのこ・海藻類にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれています。一つ一つの栄養素の必要量はわずかですが、代謝や排泄などに関わる重要な働きをしています。
それぞれの食品に含まれる栄養素は量も種類も違うので、同じものに偏らないように、幅広く色々な食品を摂取しましょう。
QOL(生活の質)を高めるためにはフレイルを予防することが大切です。その中でも食事は特に重要な要素となっています。自分に必要な栄養素と食事量を知り、実践していくことが将来の健康に結びつきます。
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