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MY介護の広場トップ > 一般のみなさま > 介護予防と健康維持 > 健康インフォメーション > オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)はどんな効果があるの?食事とサプリどっちが有効?
掲載日:2024年1月21日
青魚に多く含まれているEPAやDHAはオメガ3脂肪酸と呼ばれ、さまざまな健康効果が期待されています。
EPAやDHAの詳しい効果や、効果的な摂取方法について見ていきましょう。
脂肪を構成している成分に脂肪酸がありますが、この脂肪酸は構造の違いによって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられ、多価不飽和脂肪酸はさらにn-3系不飽和脂肪酸とn-6系不飽和脂肪酸の二つに分けることができます。それぞれオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸と呼ぶ場合もあります。
オメガ3脂肪酸には、EPA・DHAのほかにα-リノレン酸があり、含まれる食品によって異なります。EPA・DHAは体内でα-リノレン酸から変換されて生成するものですが、広義では食事から摂取しなければならない必須脂肪酸に含まれることがあります。
オメガ3脂肪酸には健康に良い効果が多くあると考えられてはいますが、その一方で決定的なものは少なく、ほとんどが可能性の段階であることも確かです。過剰な期待を寄せ過ぎず、基本的な食生活の見直しとあわせて健康づくりに取り組むことが大切だといえるでしょう。
オメガ3脂肪酸の摂取が多いと、少ない人に比べて冠動脈疾患による死亡率が低下すると示されている研究が多くあります。しかし、冠動脈疾患のなかでもその効果は限定的とされ、すべての人、すべての疾患に対して有効であるとは言い切ることができません。
オメガ3脂肪酸は、不足すると皮膚炎を起こすことがあります。EPA・DHAには炎症性サイトカインやナチュラルキラー細胞の活性化を抑制する免疫調節作用が報告されており、この作用を介して抗炎症作用を発揮していると考えられています。
実際に、オメガ3脂肪酸のアトピー性皮膚炎に対する予防改善効果を調べた研究では、有益な報告が得られているものもあります。しかし、そのほとんどが今後さらなる検討が必要であるとの見方がされています。
魚を食べると頭が良くなる、眼が良くなるといわれることがあります。これは、脳や網膜にDHAが多く存在するため、重要な役割を持っているのではないかと考えられていることに由来します。
認知症予防やうつ病に効果があるといわれることもありますが、どれも医学的な根拠はほとんどなく、鵜呑みにしてしまうのは危険かもしれません。
EPAやDHAを摂取することで朝の体のこわばりが現れる時間が短縮され、痛みが緩和し薬の量を抑えることができるとの報告があります。
EPAとDHAを摂取する場合は、自然の食品から摂取する場合と、サプリメントから摂る場合を分けて考えなくてはいけません。
例えば、オメガ3脂肪酸を魚などの食品から摂取する場合は、魚を極端に食べないまたは全く食べないという人に比べて心臓病で亡くなる可能性が低いとの見方がされていますが、サプリメントを使う場合の効果は一貫性がなく心臓病予防に効果があるとは断言できません。
また、その他の効果についても、実際には有効性が確認されていないものが多く、現在解明するために研究がすすめられています。オメガ3脂肪酸は過剰摂取によって吐き気やげっぷ、軟便といった症状が出る可能性があります。
米国FDAでは、EPAとDHAをサプリメントから摂取する場合は1日2gを超えないようとしているので注意しましょう。EPAとDHAを1日3g以上摂取すると血液が固まりにくくなり、出血しやすくなる可能性があります。
また、妊婦・授乳婦においては通常の食品からの摂取をおすすめします。サプリメントは成分が凝縮されている分作用が強く出すぎてしまう場合があるので気をつけてください。
EPAやDHAは、さまざまな健康効果が期待されていますが、実際には不確定な部分が多く誤解を生みやすい成分でもあります。市場にはオメガ3脂肪酸の効果をうたったサプリメントや健康食品が多く存在しており、消費者は科学的根拠を知るすべもなく過剰に頼ってしまいがちです。
食品とサプリメントには効果の期待度に違いがあるということ、すべての人に確実に効果が得られるわけではないということを念頭におき、まずは普段の食生活で自然に魚を使ったメニューを増やすことからはじめてみましょう。
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